行政書士の登録が完了し、交付式へ出席して資格者証を受けとったら待ちに待った行政書士としてのキャリアがスタートします。
独立開業して行政書士事務所を運営する場合、事務所に備えつけなければならないものの1つに「報酬額表」があります。
料金表は、行政書士業務を行ううえで、事務所へ来所したお客様が、業務にかかる報酬がどれくらいなのか、目で確認できるように事務所に備えつけなければなりません。
行政書士法第10条の2
行政書士は、その事務所の見やすい場所に、その業務に関し受ける報酬の額を掲示しなければならない。
しかし、右も左もわからない新人行政書士にとって、報酬の額を決めるのはとても難しいものです。
やったこともない業務であるから、なおさらです。
あまりに高額すぎては誰も依頼してくれませんし、あまりに安すぎた場合は事務所運営が困難になりかねません。
そこで、行政書士会では定期的に報酬の額の平均値を公開しています。(行政書士登録をしていないと見れません)
行政書士法第10条の2 2項
行政書士会及び日本行政書士会連合会は、依頼者の選択及び行政書士の業務の利便に資するため、行政書士がその業務に関し受ける報酬の額について、統計を作成し、これを公表するよう努めなければならない。
行政書士業務の報酬の額はそれぞれが自由に設定できます。
やったことのある業務であれば、どれくらいの日数がかかって、どれくらいの書類を作って、どれくらい難しい業務なのかを把握したうえで、報酬の額を決めることができます。
業務のタスクを表にして、それぞれどんな作業が必要なのか、どんな書類を作るのか、それに対していくらの報酬で仕事をするのか。
詳細な見積をしたうえで、料金の提示をするのが理想です。
この方法をとることのできない新人行政書士にとっての報酬の額の決め方は2つあります。
1つは、この平均額を参考にすること。
もう1つは近隣の行政書士のホームページを見て参考にすることです。
行政書士会から公開された平均額は、全国平均ですから、ほとんどがこの額を目安に報酬の額を決めていると思います。
しかし、地域によって業務の難易度が変わる業務も存在します。
ある地域ではOKでもある地域ではNGだったりします。
これは、適用される条例が地域によって違うことから発生します。
なので、近隣の行政書士のホームページが参考になるというわけです。
報酬額の一覧である報酬額表の作り方は
- 行政書士会のホームページにあるひな形をダウンロードする
- 業務名と報酬の額を入力する
- 印刷して職印を押して事務所に掲示する
これで完成です。
作成した報酬額表は事務所の見やすい位置に表示しましょう。
報酬の額は、結構難しいもので、平均額がある業務ならまだしも、平均額の表に記載がない業務だったり、誰もやったことがない業務だったりすると判断が難しいです。
これくらいだろうと思って見積をした業務が、やってみたら実は難しい業務で、もっともらっておけばよかった・・・なんてことも結構あります。
こういったことは、何でも聞ける先輩行政書士を見つけておくと安心です。
開業したてのときは、所属支部の行事に積極的に参加してこういった先輩を探しておきましょう。